○医療法施行規則の一部を改正する省令の施行等について
(昭和四九年一二月二三日)
(医発第一三三八号)
(各都道府県知事あて厚生省医務局長通知)
本年一二月二一日付けで「医療法施行規則の一部を改正する省令」(厚生省令第四六号)(以下「改正省令」という。)及び昭和四九年一二月二一日厚生省告示第三六○号(医療法第七条の二第一項の必要病床数の算定において病床の種別並びに市町村及び特別区の区分に応じて人口に乗ずる数値を定める等の件(以下「新告示」という。)が、それぞれ別紙(一)及び(二)のとおり公布された。
今回の省令の改正及び新告示の制定は、医療法第七条の二第一項に規定する地域の必要病床数の算定方法の改正についての本年一一月二七日付け厚生大臣の諮問に対する本年一二月一一日付け医療審議会の答申に基づいて行われたものである。貴職におかれては、次の事項にご留意のうえ、これが運用に遺憾のないよう配慮されたい。
なお、今回の厚生大臣の諮問及び医療審議会の答申は、別添のとおりである。
第一 改正省令に関する事項
一 改正省令においては、医療法施行規則(以下「規則」という。)第二条の四第一項の規定による必要病床数の加算の対象となる病院として、次に掲げるものが新たに追加されたこと。
(一) 呼吸機能不全、循環機能不全その他の重篤な急性機能不全の患者について強力かつ集中的に監視及び治療を行う部門を有する病院
(二) 人工透析を必要とする腎不全患者の診断及び治療並びに療養指導を行う病院
(三) 学校教育法(昭和二二年法律第二六号)に基づく大学の医学部と連携して学生の臨床教育に当たる関連教育病院
二 一の改正のほか、規則第二条の四第一項の規定に関し、その一部が次のように改正されたこと。
(一) 第一項第六号中「病棟及び」が削除されたこと。
(二) 第一項第七号中「公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法(昭和四四年法律第九○号)が「公害健康被害補償法(昭和四八年法律第一○一号)に改められたこと。
三 改正省令は、昭和五○年一月一日から施行されること。
四 前記一の(一)〜(三)並びに二の(一)及び(二)の具体的内容及びこれに関連してとくに留意すべき事項は、次のとおりである。
(一) 「呼吸機能不全、循環機能不全その他の重篤な急性機能不全の患者について強力かつ集中的に監視及び治療を行う部門を有する病院」とは、内科系、外科系を問わず、呼吸、循環、代謝その他の重篤な急性機能不全の患者を収容し、強力かつ集中的に監視及び治療を行うことにより、その効果を期待する部門、いわゆるICU(集中強化治療部)、CCU(心疾患強化治療部)を有する病院であつて、この目的に沿つて医師、看護婦等が適切に配置されているとともに、必要な設備器械が整備されているものであること。これらICU、CCUを有する病院は、規則第二条の四第一項第二号の特殊の診療機能を有する救急病院又は同項第三号の循環器系疾患に関し、特殊の診療機能を有する病院に該当することが多いと考えられるが、今回、ICU、CCUを有する病院が加算対象として明確にされたことにより、同項第二号又は第三号の病院でない場合であつても、加算の対象になりうることとなつたものであること。
なお、これら部門の病床の取扱いについては、昭和四五年一二月二四日医発第一、五一二号により病床数に算入しないこととする旨指導してきたところであるが、今後も、同様に取り扱うこととするものであること。
(二) 「人工透析を必要とする腎不全患者の診断及び治療並びに療養指導を行う病院」とは、人工透析装置を備え、腎不全患者に対し人工透析療法を行う病院であつて、当該腎不全患者のうち入院を必要とする者を収容するための病床を有する病院をいうものであること。
(三) 「学校教育法に基づく大学の医学部と連携して学生の臨床教育に当たる関連教育病院」とは、大学の設置認可の申請の手続等に関する規則(昭和四七年文部省令第三六号)第二条第四号に規定する医科大学又は大学の医学部と連携して学生の臨床教育に当たる関連教育病院をいうものであること。
(四) 二の(一)の改正の趣旨は、従来、老人病床の整備に関する加算については、病棟単位で行うこととなつていたのを、今後における老人医療の需要の増加に対応して施策の総合的な推進を図るため、老人医療上所要の施設(例えば、ベツド、廊下、便所等について老人である患者のために手すりを備える等適切な配慮がなされていること)が整備され、且つ、適正な規模を有する場合には、必ずしも病棟単位にとらわれず、地域の実情に応じて病床の整備を行いうることとしたものであること。
(五) 二の(二)の改正については、公害健康被害補償法(昭和四八年法律第一一一号)の施行及び公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法(昭和四四年法律第九○号)の廃止に伴い、必要な改正を行つたものであること。
第二 新告示に関する事項
一 新告示は、医療法第七条の二第一項に規定する地域ごとの必要病床数の算定において病床の種別並びに市町村及び特別区の区分に応じて人口に乗ずる数値を定め、昭和五一年一二月三一日までの間になされる同項に係る許可の申請について昭和五○年一月一日から適用するとともに、従前の昭和四七年一二月厚生省告示第三九四号を昭和四九年一二月三一日限りで廃止するものであること。
二 一般病床についての今回の数値の改正は、最近における各地域の人口階層別入院患者数の動向を勘案し、人口一○万人以上の市及び特別区に適用する数値を引き上げることとしたものであること。
精神病床及び結核病床については、それぞれ従前の数値に据え置いたものであること。
三 新数値は、次のとおりであること。
一般病床
人口10万以上の市・特別区
昭和50年において適用する数値
66/10,000
昭和51年において適用する数値
70/10,000
人口10万未満の市町村
57/10,000
精神病床
25/10,000
結核病床
23/10,000
第三 その他
一 今回の医療審議会の答申の要望事項として、医療法施行規則第二条の四の規定による病床加算について、本制度の趣旨が十分に生かされるよう都道府県に対してさらに強力な指導が行われるべきであるとの要望がなされたので、この際あらためて、管下の公的医療機関等に対して加算制度の趣旨及び内容を周知させるとともに、医療審議会の要望の趣旨に沿つて加算制度の運用が行われるよう配意すること。
二 医療法第七条の二の規定による必要病床数の算定に関し、規則第二条の四第一項の規定により、厚生大臣の承認を受けて加えた病床(いわゆる加算病床)については、従来、運用上既存病床数の算定の基礎となる病床数に算入する取扱いとしていたが、加算制度の趣旨にかんがみ、昭和五○年一月一日以降の加算病床(規則第二条の四第一項に基づくものに限る。)については、病床数に算入しないこととしたので、今後の取扱いに留意すること。
三 病床加算制度の運用に関し、がんセンター、医育機関附属病院等の整備により、当該地域が病床不足地域から病床超過地域に転ずることとなり、且つ、当該地域において一次診療機能を果すべき一般病床の整備に著しい支障をきたすおそれがある場合については、規則第二条の四第二項に規定する「当該地域において特別な事情があるとき」に該当するものとして取り扱つて差し支えないものであること。

別紙(一)・(二)・別添〔略〕