○医療法施行規則の一部を改正する省令の施行等について
(昭和四七年一二月二八日)
(医発第一六五八号)
(各都道府県知事あて厚生省医務局長通知)
本年一二月二八日付けで「医療法施行規則の一部を改正する省令」(厚生省令第五七号)(以下「改正省令」という。)及び昭和四七年一二月厚生省告示第三九四号(医療法第七条の二第一項の必要病床数の算定において病床の種別並びに市町村及び特別区の区分に応じて人口に乗ずる数値を定める件(以下「新告示」という。)が、それぞれ別紙(一)及び(二)のとおり公布された。今回の省令の改正及び新告示の制定は、医療法第七条の二第一項に規定する地域の必要病床数の算定方法の改正についての本年一二月一一日付け厚生大臣の諮問に対する本年一二月二三日付け医療審議会の答申に基づいて行なわれたものである。貴職におかれては、次の事項にご留意のうえ、これが運用に遺憾のないよう配慮されたい。
なお、今回の厚生大臣の諮問及び医療審議会の答申は、別添のとおりである。
第一 改正省令に関する事項
一 改正省令においては、新たに規則第二条の四第一項の規定による必要病床数の加算の対象となる病院として、次に掲げるものが追加されたこと。
(一) 老人性疾患に関し、診断及び治療を行なう病院であつて、老人である患者の療養及び生活指導に適切な病棟及び施設が設置されるもの
(二) 公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法(昭和四四年法律第九○号)による認定患者を収容し、当該疾患に関し、診断及び治療並びに調査研究を行なう病院
(三) 原子爆弾の被爆者の医療に関し、特殊の診療機能を有する病院
二 改正省令は、昭和四八年一月一日から施行されること。
三 前記一の(一)〜(三)に掲げる病院の具体的内容及びこれに関連してとくに留意すべき事項は、次のとおりであること。
(一) 「老人性疾患に関し、診断及び治療を行なう病院であつて、老人である患者の療養及び生活指導に適切な病棟及び施設が設置されるもの」とは、老人である患者の特徴として、治療期間が長期にわたる場合が多いこと、自覚症のはつきりしない状態において病状がかなり進行している場合があること、合併症、併発症の発生がよくみられること、日常の行動が緩慢であるため予期しない事故等が生じやすいこと、さらには、精神面あるいは社会面などにおける負担が大きいことなどがあり、これらの事情を考慮して、ベツド、病室、廊下、浴室、便所などについて、老人である患者の療養及び生活指導上適切な配慮を行なつた病棟及び施設を有する病院をいうものであること。
(二) 「公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法による認定患者を収容し、当該疾患に関し、診断及び治療並びに調査研究を行なう病院」とは、同法第三条に基づき、都道府県知事または同法施行令に定める市の市長により、当該疾患が指定地域に係る大気の汚染又は水質の汚濁の影響によるものである旨の認定を受けた患者を収容し、診療にあわせて、当該疾患に関する調査研究を行なう病院をいうものであること。
(三) 「原子爆弾の被爆者の医療に関し、特殊の診療機能を有する病院」とは、原子爆弾の傷害作用による疾病の医療に関して、その地域の一般の医療機関では満たし得ない特殊の診療機能を有する病院をいうものであること。
(四) 前記一の(一)〜(三)に掲げる病院についての加算は、老人患者、公害認定患者、原爆被爆者といつた患者の特性に対応した加算であつて、地域におけるこれらの患者の実態に即して、その積極的な活用が図られるよう、充分配慮されたいこと。また、今回の加算については、その性格からみて、差額徴収病床の設置は行なうべきではないので、今回の加算の運用にあたつては、とくに留意されたいこと。
第二 新告示に関する事項
一 新告示は、医療法第七条の二第一項に規定する地域ごとの必要病床数の算定において病床の種別並びに市町村及び特別区の区分に応じて人口に乗ずる数値を定め、昭和四九年一二月三一日までの間になされる同項に係る許可の申請について昭和四八年一月一日から適用するとともに、従前の昭和四三年一二月厚生省告示第五○八号を昭和四七年一二月三一日限りで廃止するものであること。
二 一般病床についての今回の数値の改正は、老人医療費の無料化に伴う入院需要の増加、さらには人口五万未満の市町村の数値を実情に合致するよう修正すること等を考慮し、人口五万未満の市町村に適用する数値を引き上げたものであること。
精神病床については、精神衛生対策の今後の方向は、通院医療の拡充、社会復帰施設の整備等にその重点がある等の事情を考慮し、数値は、すえおいたものであること。
また、結核病床についても、昭和四八年度に結核の実態調査を実施する予定であり、その結果に基づき、今後の結核対策の方向を定める必要がある状況にあることを考慮し、数値は、すえおいたものであること。
三 新数値は、次のとおりであること。
一般病床
人口30万以上の市
特別区
64/10,000
人口10万以上30万未満の市
61/10,000
人口5万以上10万未満の市町村
57/10,000
人口5万未満の市町村
昭和48年において適用する数値
53/10,000
昭和49年において適用する数値
57/10,000
精神病床
25/10,000
結核病床
23/10,000
第三 その他
今回の医療審議会の答申の要望事項に関連してとくに留意されたい事項は、次のとおりであること。
医療法施行規則第二条の四の規定による病床加算については、医療機関整備審議会が加算制度をその本来の目的にそつて積極的に活用し、医療機関の整備が適正に行なわれるよう行政指導すべきであるとの要望がなされたので、この際あらためて管下の公的医療機関等に対して、規則第二条の四第一項に規定する各種加算及び同条第二項に規定する地域の特別な事情による加算につき、その趣旨及び内容を周知させるとともに、地域の医療需要を充分に把握したうえ、医療審議会の要望の趣旨にそつて、加算制度の運用が行なわれるよう配慮されたいこと。なお、病床の効率的利用を図るため、結核病床等を転用する場合においても、加算制度を極力活用すべきであるとの要望が併せてなされたので、この点についても格段の配慮をされたいこと。

別紙(一)・(二)・別添〔略〕