○都道府県におけるスモン患者対策の推進について(依頼)
(平成23年7月28日)
(薬食総発0728第1号)
(都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬食品局総務課長通知)
平素より厚生労働行政の推進について御協力を賜り感謝申し上げます。
スモン患者対策につきましては、特定疾患治療研究事業による医療費助成や難病特別対策推進事業のほか、介護保険の給付や障害者対策等、多岐にわたる施策を行っていただいているところですが、スモン患者の高齢化に伴い、医療のほか福祉や介護など多様なサービス・支援の必要性が増加している一方、これらのサービスを適切に利用できていない事例もあるという指摘があります。
このため、本年1月、一部都道府県におけるスモン患者対策取組状況について調査を行い、その中でモデル的な事例を別添のとおりとりまとめ、本年3月8日の平成22年度薬務関係主管課長会議において配布するとともに、これらの事例を踏まえ、各都道府県の実情に応じ、関係部署、関係機関と協力の上、スモン患者一人ひとりを支えていくことのできる対策を推進していただくようお願いしたところです。
本年12月頃、改めて全都道府県に対し、スモン患者対策に係る取組状況について調査を実施することを予定していますので、各都道府県におかれては、引き続き、スモン患者対策の推進に配慮いただくようお願い申し上げます。

(別添)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スモン患者対策

都道府県の取組事例

事例1

● 保健所保健師が中心となって、個々の患者の支援計画を策定するとともに、各種サービス実施機関と連携することにより、個々の患者のニーズに応じたサービスにつなげる。

 

個々の患者の実態把握

 

 

 

患者のニーズに即した支援

 

患者のニーズに沿 たサービスの利用

 

 

 

 

 

 

患者のニーズに沿ったサービスの利用

  <スモン検診>

★患者の健康状況や生活状況の把握とともに、対症療法の開発や状態悪化の予防を目的とした検診。スモン研究班が都道府県ごとに実施。

★医療機関や患者宅において実施。

★スモン患者160名、検診参加率約50%(平成22年度)

○保健所保健師

 ・スモン研究班の依頼を受け、在宅検診に参加。

 ・当日の相談により患者の生活状況を把握。

○難病医療情報センターの難病相談員(看護師)

 ・スモン研究班の依頼を受け、難病拠点病院で行われる検診に参加。

 ・当日の相談により、患者の健康状態、生活状況を把握。

○医療機関看護師等(難病拠点病院以外の医療機関で行われる検診)

 ・当日の相談により、患者の健康状況を把握。

 

〈特定疾患医療受給者証の交付・更新〉

○保健所保健師

 ・面談や書面により、患者の健康状態や生活状況を把握。

<保健所>

○難病患者地域支援対策推進事業

 ・個々に把握した患者に関する情報をもとに、在宅医療や福祉等に複雑な問題を抱えている患者について、保健所保健師が中心となり、主治医、市町村担当課、ケアマネージャー等 関係機関が参加する会議により情報を共有し、支援計画を策定。

 

<NPO>

○難病相談支援センター事業

 ・ 難病患者本人や家族が運営するNPO法人が実施。

 ・難病患者同士の相談事業や地域交流会(患者会)の開催支援等を実施。

<難病医療情報センター(※)>

○医療に関する専門性を生かした相談事業

 ・一部ケースについては、難病相談員(看護師)が中心となり、 専門医、ケアマネージャーや入所施設職員と今後の支援の方向性について相談。

 ・このほか、保健所からの依頼を受け、保健所が実施している難病支援事業に協力。

 

 

 (※)難病医療情報センター(県独自の施策)

 ・難病拠点病院(国施策である難病医療ネットワーク事業による難病拠点病院)の中に設置。

 ・神経内科医や看護師等により構成。

事例2

● 保健所保健師が中心となって、個々の患者の支援計画を策定するとともに、各種サービス実施機関と連携することにより、個々の患者のニーズに応じたサービスにつなげる。

● (事例1とは異なり、)保健所が個別のサービス(患者同士の交流等)も実施。

 

個々の患者の実態把握

 

 

 

患者のニーズに即した支援

 

 

 

 

 

 

 

患者のニーズに沿ったサービスの利用

  <スモン検診>

★患者の健康状況や生活状況の把握とともに、対症療法の開発や状態悪化の予防を目的とした検診。スモン研究班が都道府県ごとに実施。

★県内を3ブロックに分け、各年1ブロックの検診を実施(県内を3年で一巡)。

★医療機関や患者宅において実施。

★スモン患者約100名、検診参加率約50%(平成19〜22年度)

○保健所保健師

 ・研究班からの依頼を受け、参加。

 ・当日までの事前調査(※)や当日の相談、検診後の医師等とのカンファレンスにより、患者の健康状態、サービス利用状況を把握。

(※)事前調査の内容

 ・家族構成、日常生活の自立度、療養の状況、サービスの利用状況等

<保健所>

難病患者地域ケア推進事業 (国の難病患者地域支援対策推進事業を活用)

 ・保健所保健師が中心となり、主治医、市町村、ケアマネージャー、民生委員、医療機関看護師、訪問看護ステーション担当者等 幅広い関係機関が参加する「難病患者地域ケア推進会議」 を開催。患者の健康状況や福祉サービスの利用状況について共有し、 在宅療養利用支援計画を策定。

 ・ 保健所保健師による訪問相談を通じて、当該計画の点検・評価・改善を実施。

 ・保健所保健師が専門医等と連携し、療養生活上の必要な知識等に関する指導(専門医等による講義等)や患者・家族間での交流を目的として、 「難病患者・家族教室」を開催 (年2〜3回)。

 ・保健所保健師が中心となり、専門医や看護師等による 医療相談班を編成、相談事業を実施。

<医師会>

難病相談支援センター

 ・医師会に難病相談室を設置。

 ・医療ソーシャルワーカーによる生活相談や、専門医による医療相談を実施。

事例3

● 保健所保健師と患者団体が協力し、個々の患者のニーズに応じたサービスにつなげる。

● 患者団体は、スモン検診や相談事業により把握した患者のニーズを行政や医療機関に伝達・相談。

 

個々の患者の実態把握

 

 

 

患者のニーズに即した支援

 

 

 

 

 

 

 

患者のニーズに沿ったサービスの利用

<スモン検診>

★患者の健康状況や生活状況の把握とともに、対症療法の開発や状態悪化の予防を目的とした検診。県ごとに設置されているスモン研究班が実施。

★医療機関や患者宅において実施。

★スモン患者83名、検診参加率約90%(平成22年度)

○保健所保健師

 ・当日の相談や検診団によるミーティングにより、患者の生活状況やサービス利用状況を把握。

○患者団体

 ・検診について、周知や医療機関との調整及び連絡等の協力を実施。

 ・患者との長期間の関わりを通じ、患者の生活状況やサービス利用状況を把握。

 

 

<スモン患者団体による相談>

○患者団体

 ・訪問相談等により、患者の生活状況やニーズを把握。

<スモン患者団体>

○患者と行政・医療機関の橋渡し

 ・スモン検診や日常の相談の中で患者を密接に関連。

 ・把握した情報をもとに、 保健所や市町村、医療機関に患者のニーズを伝達・相談し、ニーズに即したサービスの提供に協力。

 ・自治体に 保健所保健師同行の訪問相談や療養相談を依頼。

 ・自治体とスモン患者の現状や課題点について議論(年1回)。

<保健所>

 ・個々の患者のニーズに応じ、サービス提供機関(市町村、医療機関等)と連携し、サービスの提供を調整。

 ・患者団体等からの要望を受け、医療機関に対し、スモンが特定疾患医療の対象疾患である旨を周知。

画像1 (14KB)別ウィンドウが開きます

平成23年3月8日
平成22年度薬務関係主管課長会議
資料(説明事項編) 抜すい
(3) スモン患者対策
[現状等]
○ スモン訴訟については、昭和54年9月に和解が成立し、6,490名と和解が成立している。
○ 現在は、和解に基づき「健康管理手当」及び「介護費用」の支給を(独)医薬品医療機器総合機構が実施しているほか、特定疾患治療研究事業による医療費助成、難病特別対策推進事業の一環として、難病相談・支援センター事業や訪問相談・医療相談事業、一般施策である介護保険の給付や障害者対策等、多岐にわたる施策を行っているところであるが、患者の高齢化等に伴い、医療、福祉や介護など各種サービスの必要性が増していく中、これらのサービスを患者のニーズに応じて適切に利用できる体制を整備していく必要がある。
○ 個々のスモン患者について、ニーズに応じ、保健、医療、福祉等のサービスを利用しながら生活できるようにするためには、スモン検診を通じて個々の実態等を把握できる「スモンに関する調査研究班(厚生労働科学研究費で実施)」と都道府県や市町村、保健所、福祉事務所の連携・協力が重要と考えられる。
[都道府県への要請]
○ 上記の連携・協力体制に関し、現に効果的な取組が実施されていると考えられる都道府県の例をお示しするので、これらを参考に、健康関係主管課難病対策担当や関係機関と連携し、個々のスモン患者の状況に即した支援が行われるよう、地域の実状に応じた取組の実施について、特段の配慮をお願いしたい。
平成23年3月8日
平成22年度薬務関係主管課長会議
資料(参考資料編) 抜すい
8.スモン対策について
1.経過
(1) 昭和30年代から腸疾患加療中に神経炎症状や下半身麻痺症状を併発した原因不明の疾病(スモン=亜急性脊髄視神経症)が発生。その後、キノホルム剤(整腸剤)が原因であると判明し、昭和45年9月に発売中止の措置。
(2) スモン訴訟は、昭和46年以降、27地裁で製薬企業3社及び国に対し提訴されたが、昭和54年9月全面和解成立。
(3) 和解患者数は、6,490人、現在の生存患者は1,981人
(平成23年1月末現在:健康管理手当受給者数)
2.スモン関連施策等の概要
(1) 和解に基づく金銭給付
和解一時金 (420万〜4,700万円)の支給 [企業2/3、国1/3]
健康管理手当 (月額42,700円)の支給  [企業負担]
介護費用の支給
・重症者:月額  48,130円 [国負担]
・超重症者:月額  92,800円 [企業負担]
・超々重症者:月額 154,400円 [企業負担]
症度区分
障害の程度
支払月額及び支払対象者数
健康管理手当
介護費用
症度T
日常生活に高度の障害があると考えられる者
受給者全員に対して、支払。
(企業負担)
42,700円
1,981人
症度U
症度Tと症度Vの中間程度の者
症度V
重症者
日常生活に高度の障害があり、介護を要する者で、超重症者、超々重症者でない者
(国庫負担)
48,130円
163人
超重症者
次のいずれかに該当する者
1.失明者又はこれに準ずる者
2.歩行不能者又はこれに準ずる者
3.視力障害と歩行困難があいまってその症状の程度が1.又は2.と同視される者
(企業負担)
92,800円
153人
超々重症者
上記1.、2.の両方に該当する者
154,400円
43人