○予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法律の一部等の施行について
(昭和五二年三月七日)
(発衛第四六号)
(各都道府県知事あて厚生事務次官依命通知)
予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法律は、昭和五一年六月一九日法律第六九号をもつて公布され、即日施行された同法の一部等については昭和五一年九月一四日厚生省発衛第一七六号本職通知「予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法律等の施行について」等により通知したところであるが、今回予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令(昭和五二年政令第一六号)により予防接種による健康被害の法的救済措置が昭和五二年二月二五日から実施されることとされ、これに伴い、予防接種法施行令及び結核予防法施行令の一部を改正する政令(昭和五二年政令第一七号)、予防接種法施行規則の一部を改正する省令(昭和五二年厚生省令第五号)、予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法律の規定に基づき、厚生大臣が定める予防接種を定める件(昭和五二年二月厚生省告示第二一号)及び予防接種法施行令及び結核予防法施行令の一部を改正する政令の規定に基づき、厚生大臣が定める給付及び厚生大臣が定める額を定める件(昭和五二年二月厚生省告示第二二号)が昭和五二年二月二二日に公布、昭和五二年二月二五日より施行されることとなり、また、昭和五二年二月一八日の閣議において「予防接種事故に対する措置について」(昭和四五年七月三一日閣議了解)を昭和五二年二月二四日をもつて廃止することが了解された。ついては、次の事項に留意の上貴管下市町村長の指導に遺憾なきを期されるよう命により通知する。
なお、前記本職通知において、予防接種法に基づき実施された予防接種によつて万一健康被害が発生した場合、その当事者は、当該予防接種を実施した市町村長又は都道府県知事であり、これらの者において健康被害への対応を行うものとされているが、この機会にこの趣旨を再度周知願いたいこと。
おつて、この通知においては、改正後の予防接種法、同法施行令及び同法施行規則をそれぞれ「法」「令」及び「規則」と、予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法律を「一部改正法」と略称する。
第一 改正の趣旨等
今回の改正は、予防接種法及び結核予防法による予防接種が、急性伝染性疾患に対して社会防衛上行われる重要な予防的措置であり、関係者がいかに注意を払つても極めてまれではあるが不可避的に健康被害が起こり得るという医学上の特殊性があるにもかかわらずあえてこれを実施しなければならないということにかんがみ、予防接種により健康被害を受けた者に対して特別な配慮が必要であるので新たに法的救済措置を設けたものであること。
この趣旨にかんがみ、救済措置による給付に関して必要な事項は、経済的社会的諸事情の変動及び医学の進歩に即応するよう定められるものとされていること(令第三条)。
第二 改正の要点
一 救済措置の対象となる予防接種
救済措置の対象となる予防接種は、法第一六条第一項の規定による給付については、法第三条、第六条又は第九条の規定により行われた定期又は臨時の予防接種及び法第五条、第八条又は第一一条の規定により定期又は臨時の予防接種とみなされた予防接種であり、一部改正法附則第三条第一項の規定による給付については、昭和四五年九月二八日厚生省発衛第一四五号本職通知「予防接種事故に対する措置について」により予防接種事故に対する措置の対象とされた予防接種であり、改正後の結核予防法第二一条の二の規定による給付については、結核予防法第一三条又は第一四条の規定により行われた予防接種、結核予防法第一七条第一項の規定により定期又は定期外の予防接種とみなされた予防接種及び結核予防法第一八条第一項に規定する予防接種であること(法第一六条第一項、一部改正法附則第三条第一項、改正後の結核予防法第二一条の二第一項)。
二 救済措置の対象となる健康被害
救済措置の対象となる健康被害は、厚生大臣が予防接種を受けたことによるものであると認定した疾病、障害又は死亡であり、この認定を行うに当たつては、厚生大臣は伝染病予防調査会の意見を聴かなければならないとされていること(法第一六条、一部改正法附則第三条、改正後の結核予防法第二一条の二)。
三 救済措置の実施主体
救済措置の実施主体は、予防接種を受けたことにより健康被害を有するに至つた者が当該予防接種を受けた当時居住していた区域を管轄する市町村長であること(法第一六条第一項、一部改正法附則第三条第一項、改正後の結核予防法第二一条の二第一項)。
四 給付の種類と内容
(1) 予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法律の給付関係規定の施行期日(昭和五二年二月二五日)後に予防接種法又は結核予防法の規定により行われた予防接種による健康被害に関する給付
ア 医療費
医療費は、予防接種を受けたことによる疾病について、令第四条第一項各号に掲げる医療を受けた場合に、これに要した費用を支給するものであり、その額の算定方法は、予防接種を受けたことによる疾病に対して医学上の特殊性に基づく諸検査、治療等を行う必要があることにかんがみ、厚生大臣が伝染病予防調査会の意見を聴いて定めるところによるものであること。
ただし、予防接種を受けたことによる疾病について医療を受ける者が、その疾病について、令第四条第一項ただし書に例挙する法令の規定により医療に関する給付を受け、又は受けることができた場合には、当該医療に要した費用の額から当該医療に関する給付の額を控除した額であること(法第一七条第一号、令第四条)。
イ 医療手当
医療手当は、予防接種を受けたことによる疾病について、令第四条第一項第一号から第四号までに規定する医療を受けた場合に月を単位として支給されるが、その額は次のとおりであること(法第一七条第一号、令第五条)。
(ア) 一月のうちに入院外医療を受けた日数が三日以上の場合は月額一五、五○○円、三日未満の場合は、月額一三、五○○円であること。
(イ) 一月のうちに入院医療を受けた日数が八日以上の場合は月額一五、五○○円、八日未満の場合は月額一三、五○○円であること。
(ウ) (ア)、(イ)にかかわらず、一月のうちに入院外医療を受けた日と入院医療を受けた日がともにある場合は月額一五、五○○円であること。
ウ 障害児養育年金
障害児養育年金は、予防接種による健康被害を受け令別表第一に定める程度の障害の状態にある一八歳未満の者(以下「障害児」という。)を養育する者に支給されるが、その額は、その養育する障害児の障害の程度が令別表第一に定める一級に該当する場合は六二四、○○○円、同表に定める二級に該当する場合は三七八、○○○円であること。ただし、障害児が重症心身障害児施設又は規則第九条に定める施設に収容されている場合は、その額は、障害児の該当する等級に応じてそれぞれ三一二、○○○円、二一六、○○○円であること(法第一七条第二号、令第六条第一項及び第二項、別表第一、規則第九条)。
エ 障害年金
障害年金は、予防接種による健康被害を受け、令別表第二に定める程度の障害の状態にある一八歳以上の者に支給されるが、その額は、障害者の障害の程度が令別表第二に定める一級に該当する場合は一、六六八、○○○円、同表に定める二級に該当する場合は一、○八○、○○○円、同表に定める三級に該当する場合は八一六、○○○円であること(法第一七条第三号、令第七条第一項及び第二項、別表第二)。
オ 死亡一時金
死亡一時金は、予防接種を受けたことにより死亡した者の配偶者(内縁関係を含む。)又は死亡した者の死亡の当時その者と生計を同じくしていた子、父母、孫、祖父母若しくは兄弟姉妹に支給されるが、その額は、一一、七○○、○○○円であること。ただし、死亡した者が障害年金の支給を受けたことがあるときは、その支給を受けた期間に応じて減額されるものであること(法第一七条第四号令第一一条第一項及び第四項)。
カ 葬祭料は、予防接種を受けたことにより死亡した者の葬祭を行う者に支給されるが、その額は四四、○○○円であること(法第一七条第五号、令第一二条)。
(二) 予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法律の給付関係規定の施行期日(昭和五二年二月二五日)前に行われた予防接種による健康被害に関する給付
(一)のアからカまでの給付と同様の給付を行うものであること。ただし、昭和四五年九月二八日厚生省発衛第一四五号本職通知「予防接種事故に対する措置について」に基づく後遺症一時金を受けた者にあつては、障害年金及び死亡一時金について一定の減額を行うものであること(一部改正法附則第三条第一項)。
五 給付に要する費用の負担
給付に要する費用は市町村が支弁するものとし、都道府県はその費用について厚生大臣が定める基準により算定した額の四分の三を負担し、国は都道府県の負担する額の三分の二を負担するものであること(法第二○条第二項、第二一条第二項、第二二条第二項、令第一五条第二項、改正後の結核予防法第五二条第五号、第五五条の二、第五六条の二第二項、改正後の結核予防法施行令第三条の二)。
第三 「予防接種事故に対する措置について」の廃止
「予防接種事故に対する措置について」(昭和四五年七月三一日閣議了解)は、昭和五二年二月一八日の閣議において、昭和五二年二月二四日をもつて廃止する旨了解されたこと。従つて、昭和四五年九月二八日厚生省発衛第一四五号本職通知「予防接種事故に対する措置について」は同日限りで廃止すること。