○労働者でない者の業務上の負傷等に係る健康保険と労災保険の適用関係について
(平成24年11月5日)
(/基労管発1105第1号/基労補発1105第2号/)
都道府県労働局総務部(労働保険徴収部)長・労働基準部長あて厚生労働省労働基準局労災補償部労災管理課長・補償課長通知
今般、シルバー人材センターの会員の請負契約による就業中の負傷について、業務上の事由によるものとして健康保険からの給付が認定されない問題が生じたことを契機に、厚生労働省内に「健康保険と労災保険の適用関係の整理プロジェクトチーム」を設置し、本年10月29日にとりまとめを行った。とりまとめにおいては、働き方が多様化する中、国民に広く医療を保障するという観点から対応方針を整理したところであり、請負の業務やインターンシップなど、労災保険の給付が受けられない場合には、健康保険の対象とするとともに、労災保険においても、特別加入制度の周知・勧奨等を行うこととされている(別添参照)。
このため、都道府県労働局においても、労働保険年度更新説明会や労働保険事務組合担当者説明会等の機会を活用して特別加入制度の説明を行うとともに、関係団体を通じた制度の周知等を図られたい。
また、貴局管内の労働基準監督署に、シルバー人材センターの会員等、形式的には労働者でない者から労災請求があった場合は、引き続き、契約の形式のみで労働者性を判断することなく、作業の実態を調査の上、労働者性が認められた場合には適切に給付を行うよう、徹底をお願いする。
健康保険と労災保険の適用関係の整理プロジェクトチームとりまとめ
平成24年10月29日
労働者の業務災害については、使用者が補償責任を負うことから、業務上の負傷等は労働者災害補償保険法に基づく給付が行われ、業務外の負傷等は健康保険法に基づく給付が行われる。健康保険法上、業務は「職業その他社会生活上の地位に基づいて継続して行う事務又は事業」と広く取り扱っており、例えば、副業で行った請負の業務で負傷した場合やインターンシップで負傷した場合などに、労災保険法からも健康保険法からも給付がなされない事態が生じ得る。
今般、シルバー人材センターの会員の就業中の負傷について健康保険法からの給付が認定されないという問題が起きたことを契機に、本プロジェクトチームを立ち上げたが、シルバー人材センターの問題のみならず、働き方が多様化する中、国民に広く医療を保障するという観点に立って、以下のとおり対応方針を整理した。
(1) 健康保険
○ 健康保険における業務上・外の区分を廃止し、請負の業務(シルバー人材センターの会員等)やインターンシップなど、労災保険の給付が受けられない場合には、健康保険の対象とする。
○ その上で、労使等関係者の負担に関わる変更であるため、変更の方法(法改正の要否)、遡及適用の要否、役員の業務上の負傷に対する給付の取扱いを含め、社会保障審議会医療保険部会で審議を行い、結論を得る。
(2) 労災保険
○ 労災保険には、労働基準法に規定する労働者以外の者(請負の業務を行う者等)のうち、特に保護すべきものに対し、例外的に労災保険の加入を任意で認めている「特別加入制度」がある。負傷等を負った方が十分な給付を受けられるよう、特別加入制度について十分な周知・勧奨を行うこととする。また、特別加入制度の対象者については、就労環境の実態を踏まえ、適切なものとなるよう、検討を行う。
○ シルバー人材センターの会員等であっても、従来どおり、実質的に雇用関係にある方には労災保険の給付の対象となる旨を、改めて労働局等に徹底することとする。
(3) シルバー人材センター
○ シルバー人材センターの会員の保護の観点から、一般企業や公共機関から受注している作業を中心に、可能なものは全て、労災保険が適用される「職業紹介事業」や「労働者派遣事業」による就業への転換を進めていくよう指導することとする。